現場DXはなぜ難しいのか。
医療現場のDXは、単に新しいソフトを入れるだけでは進みません。本記事では、複数システムのCSVやExcelを手作業で集計する業務を題材に、約60分の作業を5分以内へ近づけることをPoC目標に置いた設計モデルを紹介します。特定施設の導入実績や効果保証ではありません。
Target Reader / 対象読者
現場の集計作業や二重入力を減らしたい医療機関・薬局・事業者
結論
現場DXが難しい理由は、現場がITに弱いからではありません。業務が複数のソフト、紙、電話、Excel、担当者判断にまたがっていて、全体像が見えにくいことが大きな理由です。
そのため、DXの第一歩は新しいツールの導入ではなく、日々の作業を分解し、どこを自動化し、どこを人の確認として残すかを設計することです。
現場DXが難しくなる理由
医療機関では、予約、受付、会計、問診、薬局連携、配送など、業務ごとに使うソフトが分かれていることがあります。それぞれのソフトでは問題なく処理できていても、月次集計や日次確認の段階で、CSV出力、Excel貼り付け、目視確認、手計算が残りやすくなります。
現場の担当者は、その隙間を経験で埋めています。つまり、改善すべきなのは担当者の努力不足ではなく、システム間のつなぎ目に残った手作業です。
- 複数ソフトからデータを出して、Excelでひとつにまとめている
- 項目名や集計単位がシステムごとに少しずつ違う
- 集計後に目視確認や例外チェックが必要になる
- 担当者しか知らない補正ルールがある
約60分のExcel集計を、5分以内のPoC目標に置く設計モデル
以下は特定施設の導入実績ではなく、改善前の作業時間を約60分と仮定した架空の設計モデルです。実際の短縮幅は、データ形式、例外件数、確認手順によって変わるため、PoCで計測します。
例えば、予約システム、会計システム、問診フォーム、配送管理ツールからそれぞれCSVやExcelを出し、担当者が毎日ひとつのExcelへ貼り付けて集計している状態を想定します。
この場合、各ソフトから出るファイルの形式を整理し、必要な項目だけを標準化して取り込み、集計表を自動生成するだけでも大きく短縮できます。担当者の作業は、ファイルをアップロードし、例外だけを確認する流れに変えられます。
このモデルでは、アップロードと例外確認を含めて5分以内をPoC目標にします。重要なのは数値を約束することではなく、計測条件を決め、機械に任せる部分と人が確認する部分を切り分けることです。
| 作業 | 改善前 | 改善後 |
|---|---|---|
| データ取得 | 複数ソフトから個別にCSV・Excelを出力 | 出力ファイルの形式と保存場所を統一 |
| 集計 | Excelへ貼り付け、関数や手計算で加工 | 取り込み後に自動で集計表を生成 |
| 確認 | 全件を目視で確認 | 差分・未入力・例外だけを確認 |
| 所要時間 | 設計前の仮定:約60分 | PoCで5分以内を検証目標に設定 |
実装時のポイント
短縮効果を出すには、いきなり大きなシステムを作るよりも、既存業務で毎日発生している集計や転記から始めるほうが現実的です。
NEURONLABでは、現場の作業をヒアリングし、既存システムを前提にしながら、Excel、CSV、API、管理画面、自動化ツールを組み合わせて設計します。
- 既存ソフトをすぐに置き換えず、まず出力データを活用する
- 担当者が行っている補正ルールを明文化する
- 全自動ではなく、例外だけ人が確認する設計にする
- 運用開始後のフィードバックをもとに、集計項目や確認画面を改善する
設計・支援・伴走が必要になる理由
このような改善は、ツールを作って終わりではありません。最初の設計、現場での試用、例外パターンの整理、運用後の修正までを続けることで、はじめて定着します。
医療機関ごとに業務の前提は異なるため、NEURONLABでは、現場ごとの運用に合わせて設計し、導入後の改善まで伴走します。
FAQ
Excel業務だけでも相談できますか。
可能です。大きなシステム刷新ではなく、毎日の集計、転記、確認作業の短縮から始めることもできます。
既存ソフトを変えずに改善できますか。
ケースによりますが、既存ソフトから出力できるCSVやExcelを活用して、自動集計や確認画面を作る方法があります。
Consultation
個別相談が必要な論点は、現場の状況に合わせて整理できます。
現場ごとの導入相談、既存システムを活かした設計相談、配送やラストワンマイルを含む相談まで、 実運用を前提に整理します。
