電子カルテ停止時のBCPと紙運用はどう準備するか
電子カルテや調剤システムが停止したときに、診療・受付・処方・会計をどこまで継続し、何を紙へ戻し、誰が復旧を確認するかを事前に整理する考え方です。
Target Reader / 対象読者
電子カルテ、レセコン、調剤システム停止時の診療継続と紙運用を見直したい診療所・薬局
結論
電子カルテ停止時のBCPでは、すべての通常業務を紙で再現するのではなく、患者安全と診療継続に必要な業務、延期できる業務、復旧後に入力する業務を分ける必要があります。
紙帳票を置くだけでは不十分です。使用開始の判断者、患者確認方法、処方・検査・会計の受け渡し、復旧後の転記と二重入力防止まで確認します。
この記事で分かること
本稿は、権限、初動対応、診療継続の境界を軸に、「停止時に業務を分ける考え方」、「紙運用で決める役割」を整理します。
- 停止時に業務を分ける考え方
- 紙運用で決める役割
- 患者案内と外部連絡
- 復旧後の転記と確認
対象となる状況と、つまずきやすい点
「停止時に診療継続の判断者が決まっていない」、「紙帳票はあるが使ったことがない」といった状況がある場合は、製品や機能を決める前に、権限、初動対応、診療継続の境界を確認する必要があります。
- 紙帳票を準備しただけで訓練していない
- 通常時と同じ件数を処理しようとする
- 患者本人確認や処方の確認方法が曖昧
- 復旧後に二重入力や転記漏れが起きる
- 代替運用を管理者だけが知っている
- 紙帳票の保管場所や不足時の補充が不明
- 患者案内文と問い合わせ対応を準備していない
- 復旧後の照合責任者を決めていない
比較・判断ポイント
継続範囲、紙帳票、役割を同じ表で確認し、機能の有無だけでなく、担当者や例外時の運用まで比較します。
| 論点 | 確認したいこと |
|---|---|
| 継続範囲 | 緊急・予約・慢性疾患など、継続する診療をどう判断するか |
| 紙帳票 | 受付、診療、処方、検査、会計で最低限何を記録するか |
| 役割 | 停止宣言、院内周知、患者案内、ベンダー連絡を誰が担うか |
| 外部連携 | 薬局、検査、行政、委託先へ何をどの順で連絡するか |
| 復旧後 | 転記、照合、重複防止、紙記録保管をどう行うか |
NEURONLABならどう整理するか
NEURONLABでは、システム停止時の業務を、継続する、縮小する、延期する、復旧後に戻す、の単位で整理します。
現場ヒアリングと机上確認を通じて、連絡順、紙運用、責任者、復旧確認で不足する項目をBCP改善計画へ残します。
相談前に確認すること
初回相談では、「停止を判断する責任者」、「紙で継続する受付・診療・処方・会計」が分かると現状整理が進みます。未確認の項目は無理に埋めず、相談の中で確認先と優先順位を切り分けられます。
- 停止を判断する責任者
- 紙で継続する受付・診療・処方・会計
- 患者案内と院内掲示
- 薬局・検査・ベンダーの緊急連絡先
- 復旧後の転記と照合方法
参考にした公的資料
厚生労働省『サイバー攻撃を想定したBCP策定の確認表・手引き・ひな形』 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
情報処理推進機構(IPA)『セキュリティインシデント対応机上演習教材』 https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20250415.html
FAQ
紙帳票を用意すればBCPになりますか。
紙帳票だけでは不十分です。使用開始の判断、役割、患者確認、受け渡し、復旧後の照合まで確認する必要があります。
机上訓練では何を確認しますか。
ランサムウェア感染を想定し、最初の報告、停止判断、患者対応、ベンダー連絡、代替運用、復旧確認の順を参加者で確認します。
Consultation
個別相談が必要な論点は、現場の状況に合わせて整理できます。
現場ごとの導入相談、既存システムを活かした設計相談、配送やラストワンマイルを含む相談まで、 実運用を前提に整理します。
